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関節リウマチについて

関節リウマチの治療

治療の考え方

関節リウマチの原因は不明なので、リウマチの原因をとりのぞく根治療法は今のところ 期待できません。しかし、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬や生物学的製剤を積極的に使うことによって患者さんのQOLを維持し、寛解(なおったと思え る状態)を導くことが治療の目標となってきました。

薬物療法

1-1.非ステロイド性抗炎症薬(消炎鎮痛薬)

プロスタグランジンとよばれる炎症を引き起こす物質の産生を押さえることによって、関節の痛みや腫れを軽減する効果を持っています。病気自体の進行や骨や関 節の破壊をおさえることはできませんが、飲んだ後、速やかに効き目をあらわすことから、患者さんの日常生活を維持するのに役に立ちます。しかし、この薬は 胃潰瘍をおこしやすくしたり、腎臓の働きを低下させるなどの種々の副作用が認められます。このような問題を防ぐためにいろいろと工夫した薬が開発され、販 売されています。一般に非ステロイド性抗炎症薬によって誘発される潰瘍は半数近くの患者さんで自覚症状が全くないので、便潜血反応や胃カメラなどを定期的 に行うことも勧められています。


1-2.副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)

ステロイド薬は開発された当初はその優れた炎症の抑制力から関節リウマチの特効薬として利用され、これにより1950年に発見者、抽出者(ヘンチ、ケンダ ル、ライヒシュタイン)がノーベル賞を受賞されるほどのものでした。しかしその後はさまざまな副作用があることがわかり、現在は補助療法として使用されて います。大体5mg前後で用いるのが一般的で、朝に服用するのが体のリズムにもあっていると考えられています。ステロイドの副作用は体がステロイドホルモ ンを作らなくなることから起こりますので、自分の判断で増やしたり、あるいは減らしたりしてはいけません。医師の指示にかならずしたがってください。


1-3.抗リウマチ薬と免疫抑制薬

抗リウマチ薬とは、関節リウマチ(RA)の免疫異常を改善させる薬剤で、RAの進行を阻止する可能性があることから疾患修飾性抗リウマチ薬と呼ばれています。現在は発症3か月以内の早期から積極的に抗リウマチ薬を使用するようになっています。

抗リウマチ薬の特徴

1. 関節リウマチの治療には不可欠である。
2. 一般に遅効性であるが、効果は持続性である。
3. 反応する例と全く反応しない例がある。
4. 完全寛解はまれだが関節破壊の進行を遅らせる可能性がある。
5. 効果が減弱した場合は、切り替えか併用を考慮する。
6. 副作用は薬物によって異なるが、時に重篤なものがあるので注意する。

●ブシラミン(商品名リマチル)

構造学的にペニシラミン類似のSH化合物で、我が国で開発された薬剤です。効果は比較的高く、重篤な副作用も少ないために最初に使われる傾向があります。
●サラゾスルファピリジン(商品名アザルフィジンEN)

切れ味はよく、早期に反応する例もあります。特にヨーロッパではメトトレキサートと並んで抗リウマチ薬の標準薬として使用されています。
● メトトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレートなど)

米国では標準治療薬です。我が国では1999年8月に関節リウマチ薬として承認されました。米国では平均15mgで使用していますが、日本では副作用の 関係から、1週間8mgまでの使用制限があります。メトトレキサートの治療効果は他の抗リウマチ薬に比較して速やかで、長期にわたってその効果が増強しま す。もっとも注意すべき副作用は急性間質性肺炎と骨髄抑制で、定期的な胸部レントゲン撮影や血液検査が必要です。
●レフルノミド(商品名アラバ)

我が国では2003年4月に承認された免疫抑制薬です。海外ではメトトレキサートと同程度かそれ以上の効果があると報告されています。初期投与量として 100mgを朝1回3日間内服し、4日目以降20~10mg朝1回を服用します。メトトレキサートと違い、体重が違う欧米人と同用量の投与量であるため、 副作用は多く、特に重症間質性肺炎が問題になっています。
●タクロリムス(商品名プログラフ)

我が国では2005年4月に承認されました。副作用としては、腎障害と耐糖能異常が中心で肝障害は少なく、間質性肺炎の報告は少なく、他の抗リウマチ薬とは異なる傾向があります。


その他:現在ではあまり使用されていませんが、下記の薬剤もあります。

●金製剤:注射金剤(商品名シオゾール)と経口金製剤(商品名リドーラ)
●ペニシラミン(商品名メタルカプターゼ)

●ロベンザリット(商品名カルフェニール)
●ミゾリビン(商品名ブレディニン)
●アクタリット(商品名オークル、モーバー)

1-4.生物学的製薬

生物学的製剤とは遺伝子工学の技術を応用して作られた薬剤(注射製剤)です。現在日本で関節リウマチに使用できる生物学的製剤は4剤あります。腫瘍壊死因子 (TNF)という分子と結合してその作用を抑制するものが3剤あり、レミケード(商品名レミケード)、エタネルセプト(商品名エンブレル)、アダリムマブ (商品名ヒュミラ)です。もう1剤は、IL-6のレセプターに対する抗体製剤であるトシリズマブ(商品名アクテムラ)です。

レミケードは 中和抗体産生を抑制する目的からメトトレキサート(MTX;商品名リウマトレックス/メトレート)と併用して使用する必要があります。通常開始して1~2 週間で炎症反応(CRPなど)が改善し、痛みや関節の腫れも引いてきます。また骨破壊の進行も止めることが分かっており、将来の関節の変形を予防できるこ とが期待できます。また、改善した後で中止しても良い状態(寛解)が維持できる場合があり、ほぼ治癒に近い状態に導ける可能性もあります。投与方法は、点 滴静注(2時間)で、2回目は2週後、3回目はその4週後、4回目以降は8週毎になります。

エンブレルは皮下注射製剤で、週に2回皮下注射します。練習すれば自己注射が可能です。メトトレキサートと併用する必要はありませんが、併用するとさらに効果があります。レミケードと同様に関節破壊予防効果があります。

ヒュミラも皮下注射製剤ですが、注射の頻度は2週間に1回となっており、練習すれば自己注射も可能です。エンブレルと同様メトトレキサートとの併用は必須ではありませんが、併用するとさらに効果があります。レミケードと同様に関節破壊予防効果があります。

アクテムラは点滴製剤で、1回の点滴時間は約1時間で4週間に1回点滴します。MTXとの併用は特に必要はありません。レミケードと同様に関節破壊予防効果があります。

これら生物学的製剤にはいくつかの注意すべき副作用がありますが、特に重要なものは感染症とアレルギーです。中でも結核は重要で、ツベルクリン反応陽性など 結核感染の既往があると思われる方は抗結核薬をのみながらこの治療を受けるべきとされています。これにより結核は防止できます。結核以外では、種々の病原 体による肺炎が約3%(100人に3人)に起こります。さらに最近では日和見感染症の重症化が問題となっているため、咳や発熱などの症状があればすぐに主 治医に連絡し胸部レントゲン撮影をするべきです。インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは接種が推奨されています。アレルギー反応については、点滴製剤では アナフィラキシーといわれる強いアレルギー反応が起こることがあります。また皮下注射製剤では注射部位反応(注射部位が赤くなったりかゆみがでたりするこ と)がしばしば認められますが、通常抗アレルギー薬を併用して継続使用します。これら生物学的製剤は、他の従来の抗リウマチ薬にあるような臓器障害(血球 減少、肝障害、腎障害など)はほとんどなくその点ではむしろ安全ともいえます。

残念ながら4製剤とも大変高価で、レミケードは通常の体格 (体重 34~67kg)の方で1回あたりの費用が約22万円(3割負担の一般医療で約7万円)かかります。エンブレルは1回の注射の費用が約15,000円で 1ヶ月あたり8回として毎月12万円(3割負担で3.6万円)、ヒュミラは1回の注射が約7万円で毎月約14万円(3割負担で4.2万円)かかります。ア クテムラも体重あたり8mgを投与することになっており、50 kgの患者で400 mgで12万円強(3割負担で約4万円)かかります。このように高額な治療費が現在問題となっています。

各生物学的製剤へのサイトへリンク:

レミケード: http://www.riumachi21.info/
エンブレル: http://www.enbrel.jp/
アクテムラ: http://chugai-pharm.jp/hc/ss/act/index.html
ヒュミラ : http://www.e-humira.jp/